「体重と老化」と「なぜ筋トレでなく動作なのか」

膝痛の解き明かし

定番のエピソード

膝が痛くて医者にかかります。
時々、膝に注射してもらうと調子が良くなるのですが、そのうちまた・・・・
立ち上がるときや歩き始めが特に痛いことが増えてきて不安だ・・・・
そんな不安から先生に聞いてしまいます。

「先生、これ治らないですか? 手術はイヤなのです」
返ってくるのはお馴染みの言葉。「年齢のせいですよ」「体重を減らしましょう」「リハビリ頑張りましょう」

リハビリに行って、電気を当てて、座って膝の曲げ伸ばし運動を頑張ります。リハビリの先生からは、ももの筋肉を鍛えることがすごく大切と勧められます。
あまり効果が実感できないのが正直なところです。
こんな訴えをよく耳にします。(定番エピソード)

膝の痛みは、完全にゼロにすることが難しくても、痛みを軽くし、将来の衰えを防ぐことは可能です。
今、わかっていることを整理してこのブログでお示ししていきます。
まず、膝のことを知りましょう!膝には膝なりの理由があって「なぜ膝の痛みが起こるのか」「なぜこのトレーニングをするのか」を理解すれば、きっと前向きに取り組めます。

本当に悪いのは「体重」だけ?

もちろん、体重が増えると膝に負担はかかります。しかし、「体重」は、マイナス要因のひとつですけれど、それが圧倒的な要因とは考えていません。

1998年の日本公衆衛生雑誌にこんな調査報告があります。
山梨県の農業地区で暮らす20〜79歳の男女2,500人余りを対象に、膝痛の有無や性別・年齢・身長・体重などをアンケート調査したものです。

結果はこうです。
・男女とも、年齢とともに膝痛は増える。
・女性の方が男性より膝痛が多い。
・女性では、身長が高いほど・体重が重いほど膝痛が多くなる。
・ただし、この傾向は男性には見られない。

膝痛が女性に多いのは、閉経後の骨が弱くなる傾向のせいと考えられます。
そして、注目すべきは「身長」です。身長が高いほど膝からの揺れ幅が大きくなり、その分膝にかかる負担も増えるのではないでしょうか。
少なくとも、「体重=膝痛の原因」ではないということです。

「老化」ではなく「衰え」に挑もう

「膝が痛いのは老化だから仕方がない」と言われます。
でも、「衰え」と「老化」は、同じように思われがちですが、少し意味が違います。
「衰え」は、長年使わないことで能力が落ちている状態ととらえます。
「老化」は、衰えに加えて、年齢による細胞レベルの回復能力の低下が合わさり、元に戻りづらくなった状態を言います。
つまり、「老化」そのものを止めるのは難しいけれど、「衰え」なら工夫で取り戻せるのです。

膝について、歳を取れば軟骨は減っていきます。それ自体は避けられません。
軟骨は、取り替えのきかないものです。
勝ち目のない「軟骨の復活に挑戦=老化への挑戦」をするか、偏った荷重のあり方(動作)を見直して、残っている軟骨の使用機会を作ることに力を注ぎませんか?

今ある能力を生かして、膝や足を元気に保つ方法を探っていきましょう。

「体重と老化」と「なぜ筋トレでなく動作なのか」

膝が痛いと「膝に原因がある」と思ってしまいます。
だから、つい「膝の筋肉を鍛えよう」「膝に関する筋肉のストレッチをしよう」「膝のまわりをもみほぐそう」と考えてしまいます。

「膝」は単独では動かず、立位や歩行の動作の中で、「足指」「足首」「膝」「股関節」がチーム連係で動いています。

下肢の動きは、足・膝・股関節・体幹が連係の中で、互いに役割を分担しています。
そんな中、足指/足首が動きを「サボる」と膝が不安定に、股関節が「サボる」と膝や足部に負担が増えていってしまいます。
どこかの関節の「サボり」が他の関節に負担を強いて、それが原因で痛みが出ることは普通にあることです。

だから、膝が痛いからといって、原因が膝そのものとは限らないのです。

膝を安定させ、負担を減らすためには、「足指」「足部」「膝」「股関節」などの動きのつながりを調整する必要があります。(効率の良いチームワーク動作)
また、「サボる」にも疲労や痛みなど正当な理由がある場合もあります。そのような場合は、その原因に対処することもあります。

長年の「クセ」や「ズルい動き」が積み重なると、知らないうちに膝に負担をかけてしまい、痛みの原因になることもあります。

膝を守るには「動作の修正」が必要なのです。

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