新しい動きを覚えるには、それなりの時間や回数が必要です。
でも、ただやみくもに繰り返すだけでは上達しません。
「目標」に合わせた課題を決めて、その課題をどのくらいの頻度で行うか、計画的に進めましょう。
私たちが普段している動きは、筋肉や関節をどう動かすかをほとんど意識していません。
ただし、新しい動きを身につけるときは、まず「意識して」体を動かす必要があります。
そして、練習を重ねるうちに、だんだん意識しなくても自然にできるようになります。
つまり目指すのは―― 「無意識にできる」状態 です。
バスケットボールを例に
初めてバスケットボールに触れたとき、こんなことを意識して練習します。

- ボールの重さや硬さを感じる
- 床にバウンドさせたときの跳ね返りを確かめ、片手でうまく弾ませる練習をする
- ドリブルの手の動きと足のステップを合わせる
こうしてボールに慣れてくると、ドリブルしながら周囲の様子や進むコースまで考えられるようになります。
そのころには、ボールの扱いやステップを細かく意識する必要がなくなっています。
これは、繰り返し練習して体が覚えた証拠です。
「無意識」までの上達ステップ
新しく覚えた動作は、日常生活の中でも無意識にできることが理想です。
もちろん最初からそうはいきません。軽い意識で正確に再現できるといいですね。
だいたい以下のステップに沿って進んでいきます。
無意識への上達プロセス
- 教わった動作を自分で再現できる。
- 日常の中で意識すれば、まだ不十分ながらできる
- 意識すれば、正確に多くの場面でできる
- 意識しなくてもできることが増える
歩くときの「踏みしめる」(かかとに重心 → つま先で床をつかむ)を例にすると……
- 集中すれば、普段よりしっかり踏みしめられる
- 散歩中に意識している間はできるが、まだムラがある
- 通勤や買い物中でも、意識すれば確実にできる。足の筋肉の使い方も感じられる
- 軽く意識するだけでうまくできる。ときには無意識でもできている

ポイント
- 上達のスピードや感じ方には個人差があります
- 練習で「完璧」を求める必要はありません
- うまくいった時とそうでない時の違いを、自分で具体的に感じられるとベスト
- 何より、楽しんで練習することが大事で、クリアーしたら自分を褒めてください
まとめ
- 動作練習は、「無意識にできる」ことを目指す
- バスケットボールの上達を例に、「無意識」のイメージを説明
- 「踏みしめる」動作で、上達のステップを具体的に紹介