X脚の痛みの原因

膝の痛みは、「体重がかかったとき」に出ます。
X脚では、膝が内側に傾くため、膝関節の外側に体重が集中します。
若いうちは、軟骨が丈夫なので耐えられますが、年齢とともに摩耗し、やがて骨同士が直接こすれ合って痛みや炎症を引き起こします。
膝関節全体で支えていた体重が関節面の外側に集まるということは、歩くなどでは、体重のかかり方は何倍にもなるということになります。
これでは、老化のせいでなくても、軟骨がすり減ってしまうのも納得です。体重が増えたり、動作が大きく/速くなったりするとさらに厳しいと言えるでしょう。

つまり、X脚からくる痛みは、「関節そのものの病気」ではなく、長年の偏った体重のかけかたの「クセ」が原因ということです。
そして、「一度クセがついたらもう治せないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
正しい動きを習得することで改善は可能です。
特にスポーツをしている人は、強い荷重とひねりの力が膝に加わることが多いため、この偏った荷重クセは、早めに動きを修正して、ケガのリスクを下げておきましょう。
スポーツに縁のない方でも年をとって変形が進む前に、若いうちから意識しておくのが理想です。
X脚の特性
X脚の人は、立っているときや歩くときに、無意識のうちに足を広めにスタンスをとる(ワイドベース)傾向があります。
力仕事をするときや、ホワイトボードに正確に線を引くなど、安定した姿勢を取ろうとす場面で更にワイドベースをとりがちです。
もともとX脚は、膝下は広がるのでワイドベースですが、問題は立っているときの力の入れ具合です。重力に対抗ではなくて、内側の親指側に寄りかかって安定しようとすることです。
脱力的なので、アーチが潰れ、扁平足になりがちで、X脚にとってマイナスです。
慣れた脱力的ワイドベースで立つ方が一時的には楽に感じても、その状態で動き続けると、膝の外側への荷重が習慣化し、年齢とともにX脚の角度は大きくなっていきます。
年をとってくると、走ったり、急に方向を変えたり、止まったり、などの動きは自然と減っていきます。そのため、足指や足底の筋肉を使う機会も少なくなります。
つまり、足指で床をグリップしなくても良い程度の軽い動作しか行わなくるということです。
X脚をどう治そう
X脚の修正のために、3つのアイディアを提案します。
考え方については、以下を参考にしてください。具体的な練習方法は、個別に合わせますのでここでは紹介しきれません。(トップページに「フィジオメンテ」のリンクありますのでお問い合わせください)
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①「ナローベース」
立位や歩くときに、足幅を狭く(ナローベース)してみましょう。それによって、膝の外側への偏りがちな荷重を内側に戻す練習になります。
②「ナローベース」+「足指グリップ」
狭い足幅である「ナローベース」に加えて、「足指グリップ」すると、自然に親指以外の4本の指で床をつかむようになり、内側にかかりがちな体重が小指側に移り、下腿の外側の筋肉や足裏の踏ん張りが利きやすくなります。アーチ形成にもつながります。
③「つま先バランス」

踵を上げて、つま先で体重を支えてみましょう。母指球/小指球に体重が集まり過ぎないように、足指で体重を支えている感じが多くあるように心がけてください。
踵を高く上げるほど、足指のコントロールが必要になります。


