グリップとアーチ
足底のグリップの重要性は、「足底のグリップ力」で解説しました。
説明内部リンク(足底のグリップ力)https://araireha.rehaness.com/grip-strength-of-the-sole/
アーチの役割
動作における足部の「アーチの役割」をまとめてみました。
- ジャンプの着地、階段を降りる、歩行/走行にブレーキをかけるなどで衝撃を受け止める役割。
- 適切なアーチの高さは、下腿の傾きに影響。(X脚O脚に影響)
- 荷重時のアーチ筋の活性は、同時に足指の地面グリップに貢献する。(グリップは力を地面に伝えることに貢献)
- 歩行や走行の「蹴り出し」のバネとして、推進力アップの役目。
アーチは、「衝撃吸収」「グリップアシスト」「下腿の傾き調整」「推進バネ」といったところでしょうか。
体重のかかり始め(立脚初期)のアーチは、下腿からの吊り上げと足指の床押し

歩行筋電図の研究から以下のことが読み取れます。
- 体重のかかり始めでは、最初に足根骨を吊り上げ(後脛骨筋+長趾屈筋)、同時に足指は地面を押して(屈曲)グリップします。
- アーチによって、荷重がつま先と踵に分けられ、足指が強調される。
- アーチのクッション(バネ)によって、足指の踏ん張り効率(グリップ力)が上がる。
特に、長趾屈筋は、足根骨を吊り上げながら足指は床を押し、グリップします。
つまり、アーチ作りながらグリップしています。
トレーニングポイント:しっかり足指床グリップは、アーチ形成にも役立つ。
体重がすべて乗る(立脚中期)は足底内在筋でアーチはを下から支え、グリップをアシスト
「体重が全て乗る」とは、反対の足は床から離れていると言うことです。(立脚初期より体重のかかり方が極端に多い)

つまり、アーチ維持に一番力が必要なのです。
この立脚中期では、足底の内在筋が頑張ります。
ちょうど「弓」の弦を引いて弓幹(ゆがら)がしなる感じです。
ここでの「つぶれ」が扁平足、X脚、外反母趾に傾いていくのです。
トレーニングポイント:アーチを引き出すためには、後脛骨筋強化と足底の筋肉の強化の両方が必要。
足指の踏ん張りは、グリップとアーチ形成に役立つ


筆者は、扁平足であります。左右の写真は、私の右足です。
左の写真は、普段の状態です。
右は、足指を床に押し付ける(床をつかみ、グリップしている)ことをしています。土踏まずが持ち上がっています。
トレーニングポイント:指を床に押し付ける(床をつかみ、グリップしている)は、足底の筋を収縮させ、同時にアーチを改善させます。
まとめ
足底のグリップとアーチについて
- アーチの役割について整理しました。
「衝撃吸収」「グリップアシスト」「下腿の傾き調整」「推進バネ」と動作には欠かせない機能です。 - アーチは、立脚相初期と立脚中期で支える筋肉を変え、いろんな抗重力場面で維持しています。
- アーチと足指の床押し(足指グリップ)は、連係性が高く、練習の際に切り離せない機能です。