「自分で動く」「楽しく動く」は動作を覚える(動作の学習)には、かなり重要な要素です。情緒的でなく生理学的に捉えてみましょう。動作を覚えるための参考になります。
自分の力で動くことが大切

新しい動きを覚えるときは、「自分で動く」ことがとても大事です。
動きは、脳が「こんなふうに動こう」と計画し、その指令を脊髄を通して筋肉に伝えることで始まります。でも、それだけではうまくいきません。
筋肉や関節には「動きを感じるセンサー」があり、実際に動いた結果を脊髄経由で脳に送り返します。脳や脊髄は、この「動かす指令」と「動いた結果」を照らし合わせて、「次はもう少し力を入れよう」「スピードを調整しよう」と学習していきます。
例えば、立ったまま右膝を持ち上げる動きを覚えるときも、脳は「どの筋肉に、どれくらい力を入れればいいか」を記録していきます。この積み重ねの引き出しの多さが動作の上達につながります。(図)
一方で、人に動かしてもらう(他動運動)では、指令も弱く、筋肉の収縮も少ないため、この「照らし合わせ」がうまく働きません。
だからこそ、自分の力で動くことが大切なのです。
楽しむ気持ちのイメージが動きを育てる
運動は「楽しい!」と思えることも、とても大事です。
脳には「基底核」という、動きをパターンとして記録する部分があります。この部分は、感情ややる気をつかさどる「辺縁系」や「前頭葉」とつながっています。つまり、ワクワクした気持ちは、動きを覚える力を後押ししてくれるのです。
動くことに興味を持ち、「できた!」という達成感を味わいながら繰り返すと、脳はより効率的に動きを記憶してくれます。
まとめ
- 新しい動きを効果的に覚えるには、自分で動くことが何より大切。
- 「楽しい!」という気持ちが、動作を覚えるスピードと質を高めます。
だから——自分で、そして楽しく動きましょう!