大腿四頭筋の単独強化と坐位練習

膝痛の解き明かし

下肢の動作は、抗重力の筋肉チーム

椅子からの立ち上がりは、足部・膝・股関節が連動します

抗重力筋肉チームの説明として、左右の動きが対称的に近い「椅子からの立ち上がり」を例にしてみます。

立ち上がりは、
 坐骨荷重から足裏荷重に移る(前への重心移動)
 全て足裏に体重が乗ったらバランスをとりながら、立位へ移っていく(上への重心移動)

特に「⒉」に関しては、「足部は垂直方向」に「膝は伸ばす」、「股関節も伸ばす」ということが同時に起こります。この3つの運動のタイミングがズレると、とんでもない立ち上がりになってしまします。

立ち上がり動作は、同時並行的に「足部」「膝」「股関節」が動きます。
力の入れ具合は、筋肉が決めるわけではありません。体重のかかり具合などの感覚情報も含め、神経が姿勢を保ちつつ「足部」「膝」「股関節」に立ち上がるための指令を出します。
立ち上がるときに「座面が深く沈む椅子と硬い椅子」「座面の高い/低い椅子」「浅くor深く腰かけている」では各筋肉の力配分は変わります。

動作が上手くなるということは、各関節の動くタイミングや力加減が上手くなることと、状況変化に応じて上手く対応ができるということです。
筋肉パワーは、その中の1要素に過ぎません。

歩行時の筋肉チーム


歩行の筋活動は複雑に見えます。
でも、1シーンを取り出すとそんなに複雑ではありません。

🔹「蹴り出す筋活動」
・適度に股関節の前の筋肉が働いて、蹴り出した時に股関節周りの安定を作ります。
・「足指の屈筋」「アーチを作り」で地面をとらえ、足底筋や下腿の内外(左右)の筋肉で足首を安定させて、ふくらはぎの力で地面を押し、前へ進みます。

🔹「支える筋活動」(体重がのったとき)
「歩行時の各筋肉の活動の高さ」の図は、歩行時の筋活動がわかり、とても参考になります。
片足で体重を支え初める時期を色塗りしました。
この時期、たくさんの筋肉が働いていることが見てとれます。
それぞれ、抗重力の筋肉ですが、役割は個々に異なり、それぞれのポジションで働きます。

※筋肉の役割を少し見てみましょう。
・体重がのって膝が前に流れることを防ぐために、モモの後の筋肉が膝を後ろに引きます。
このことが、次のたくさん体重がかかるとき、体重が足底に乗るために役立ちます。
・体重がのり始めると、ももの前(大腿四頭筋)とお尻の筋肉(大殿筋)で体重を支えます。
この2つの筋肉は、膝と股関節で協力して支えます。

歩行や動作は、場面によって異なる役割の筋肉たちが協力しあうことで成りたっていて、言い換えると、局面によってメンバーを変えながら試合を進めるチームメンバーのようなのです。


なので、ひとつの筋肉の単独強化は、動作を変えるためには大きな意味をなさないと思います。

体重のかからない坐位での練習


歩行の筋肉活動の組み立て実行は、脊髄や脳幹・小脳・基底核にあって、いちいち大脳が細かい指令を出さなくても良いようになっています。
我々は歩くときに、このタイミングで右足を振り出すとか、体重がかかった足に踏ん張らないといけないとか考えないです。
極めて優秀な自動プログラムで歩いています。
自動的に運用されながら、感覚情報から修正や変更が行われています。

抗重力としての力は、膝を含む下肢の体重のかかり具合というセンサー情報に合わせてチームの筋力を調整します。
つまり、踏ん張る力は、慣性なども入れた体重のかかり具合に釣り合わないといけないです。


しかし、一般的リハビリでは、座って膝を伸ばす、その坐位場面で抵抗や錘で負荷を増やすことをします。
これは、「大腿四頭筋単独強化」「体重のかかり具合情報無しの出力強化」です。そもそも、大腿四頭筋で膝の横安定は難しいです。

しかし、「体重をかければ痛いので荷重無しトレーニングは必要なのでは」と言われそうです。
まず、立位でしっかり「足指グリップ」と「足幅調節」をしてみてください。それでも痛い重症な方は、「足指グリップ」と「足幅調節」しながら、両手を椅子の背もたれやテーブルなどに、体重を分散させてみてはいかがでしょう。

具体的な練習方法は、個別に合わせますのでここでは紹介しきれません。(トップページに「フィジオメンテ」のリンクありますのでお問い合わせください)

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