O脚の痛み
O脚とは、文字通り両膝が外側に開いて、細長いOのように見える状態です。O脚は、X脚のより多く、女性に多いです。
O脚の膝の痛みは、膝の内側の関節面に体重が偏ってかかることが長年続いて、クッションでもある軟骨に問題が起こり、炎症が起こったときに出ます。
ひどくなると水が溜まったり夜間痛になったりします。

膝関節面全体で支えていた体重が関節面の内側に集中するということは、歩くなどの動作では体重のかかり方は何倍にもなります。
これでは、老化のせいでなくても、軟骨がすり減ってしまうのも納得です。体重が増えたり、動作が大きく/速くなったりするとさらに厳しいと言えるでしょう。
若いうちは、軟骨が丈夫なので耐えられますが、年齢とともに摩耗し、やがて骨同士が直接こすれ合って痛みや炎症を引き起こします。
そして、「一度クセがついたらもう治せないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
正しい動きを習得することで改善は可能です。
O脚の特徴

O脚では、膝が外側に傾くため、膝関節の内側に体重が集中します。
荷重時(体重がかかっている)動作で痛みが出ますが、特に立ち上がり/歩き始めなどに出やすいです。
また、無意識のうちにX脚とは反対に「足幅を狭くして立つ」(ナローベース)になりやすい傾向があります。
立位の休め姿勢で、片足に体重を預けているとき、支えている足の小指側にかかっていることが多いのです。

このように小指側に体重をかけて歩くと、蹴り出しも小指側で行うため、下腿外側の「腓骨筋」をたくさん使うことになります。
腓骨筋は、体重がかかっているときは下腿を外に引っ張るため、それが長期的にはO脚を強めてしまうと筆者は考えています。
O脚の方の多くが、腓骨筋のオーバーワークで「長く歩くと下腿の外側(腓骨筋)の疲労や痛み」を感じています。
このままナローベースで生活を続けると、ますます膝の内側荷重が定着し、年齢とともにO脚傾向は大きくなっていくのです。

女性特有の問題もあります。女性は、成長期に骨盤が広がることで、膝の内側荷重と小指側に体重がかかりやすくなります。

加えて、股関節周りの筋力が弱いと、歩行の立脚時に股関節の「横流れ」が起こります。
この「横流れ」については、後に説明を設けます。
この股関節の「横流れ」は、O脚にとってマイナス要因です。

O脚の方の歩いているときの痛みが一定以上になると、上体を左右に揺らして、痛みを避けようと自然に調整をします。
歩き始めは痛いけれど、歩き出してしばらくすると痛くなくなる原因はこの要素もあります。
この歩き方になるというのは、膝痛が悪化しているサインです。
O脚をどう治そう
O脚の修正のために、3つのアイディアを提案します。
考え方については、以下を参考にしてください。具体的な練習方法は、個別に合わせますのでここでは紹介しきれません。(トップページに「フィジオメンテ」のリンクありますのでお問い合わせください)
「ワイドベース」
足幅を少し広めにして立つ(ワイドベース)ことや歩くことで、膝関節の内側への偏りがちな荷重を外側に戻して膝の膝の痛みを和らげましょう。
「ワイドベース(荷重位置修正)」+「足指グリップ(下腿安定)」

立っているときや歩くときに、ワイドベースに合わせて「足指グリップ」を行うと、親指と人差し指あたりの指で床をしっかりつかむイメージになります。
これにより、荷重が外側から内側(親指側)に移動し、荷重の分散ができます
また、下腿外側の腓骨筋の使い過ぎも防げます。
「足指グリップ押し」
「足指グリップ押し」は、股関節の「横流れ」防止で、O脚にとって必要なことです。

